
「今回の事案を重く受け止め、改めて全職員に対して服務規律確保の取組に真摯に向き合い、町民の疑惑や不信を招くような行為を厳に慎むよう、周知徹底を図ってまいります。」
元地域プロジェクトマネージャー・今井恵一氏が勤務時間の約7割を私的なネット閲覧に費やした不祥事。それを受け、白子町が町民に固く誓った「再発防止」と「周知徹底」。多くの町民は、この力強い言葉を信じ、町が組織として生まれ変わるための具体的な一歩を踏み出すものと期待したはずだ。
しかし、その実態は、我々の期待と信頼を根底から裏切る、あまりにも空虚で、町民を愚弄するものだった。
当会が情報開示請求によって入手した資料で、町が全職員に行ったという「周知徹底」の全貌が明らかになった。そこに記されていたのは、町の定例課長会議における総務課からの連絡事項の中に紛れ込んだ以下の僅か二行の文章のみである。


「業務用パソコンの私的利用について 勤務時間中に業務と関係のないウェブサイトを閲覧することは、懲戒処分の対象となります。注意してください。」
これが、町長の名の下に公表された「真摯な取組」の結末だというのか。 裁判で町の杜撰な対応が問われている最中、その裏側で行われていた「対策」がこれだという事実に、我々は怒りを通り越して、もはや呆れるほかない。
問題の本質は、単に文章が短いことではない。そこに、組織としての自浄能力の欠如、そして町民に対する誠実さが微塵も感じられないことだ。
先日開かれた住民訴訟の法廷で、町は「私的なネット閲覧と職務のヒントを得るための閲覧の区別が困難」などと、苦しい言い訳に終始した。その一方で、全職員には「私的利用は懲戒処分になる」と注意喚起する。この矛盾した対応は、一体何を意味するのか。
つまり町は、法廷では「区別困難」と主張して公金の回収を免れようとし、内向きには「注意した」というアリバイ作りに終始しているのだ。そこには、真摯な反省も、実効性のある再発防止策を講じる意思も全く見られない。
- なぜ、今井氏の行為が長期間にわたり見過ごされたのか、管理監督者の責任についての検証はどうなったのか。
- 裁判所が提出を求めた「アクセスログ」のような客観的証拠を、なぜ組織内で活用し、具体的な再発防止策を構築しないのか。
- 服務規律に関する具体的な研修や、公務員倫理を再確認する機会は本当に設けなくてよいと考えているのか。
こうした根本的な対策に一切踏み込まず、小学生への注意書きのような一文を送付するだけで「周知徹底を図った」と断言する。これは、税金を納める町民に対する背信行為であり、真面目に働く多くの職員への冒涜でもある。
我々が問いたいのは、過去の過ちから何も学んでいないのではないか、という一点だ。問題が起きるたびに「再発防止」を唱えながら、その実、何一つ具体的な行動を起こさず、問題をうやむやにしてきた町の体質。今回の対応は、その悪しき慣習がまたも繰り返されたに過ぎない。
町は、この一行の注意書きで、本当に職員の規律が保たれ、失われた町民の信頼が回復できると本気で考えているのか。我々は、この形骸化した「対策」を断じて容認することはできない。法廷の場で町の責任を追及するとともに、真の再発防止策が講じられるまで、その欺瞞に満ちた姿勢を厳しく監視し続ける所存である。
拝
市民オンブズマンの会白子・会長