<254>意見陳述書を公開

令和8年(行ウ)第3号 給与返還等請求事件

原告 ●● ●●
被告 白子町長

意見陳述書

令和8年2月27日

千葉地方裁判所民事第3部御中

原告 ●● ●●

1.はじめに

原告は、白子町における度重なる不祥事を憂慮した住民有志とともに、令和3年1月に「市民オンブズマンの会白子」を発足させ、会長として町政の監視活動を行ってまいりました。
本日は、なぜこの訴訟を提起したのかを直接お伝えする機会をいただき、感謝申し上げます。

2.本件事案の核心

本件の構図は明確です。

白子町地域プロジェクトマネージャーの今井恵一氏は、令和6年10月頃から約4か月間、勤務時間の約7割を私的なインターネット閲覧に費やしていました。町は職務不提供の事実を認定し、令和7年4月30日付で126万円の不当利得返還請求を行いました。

ところが、町は同年11月13日、懲戒処分が停職から戒告に修正されたことを理由に、この返還請求を取り消しました。

しかし、これは誤りです。不当利得返還請求は懲戒処分とは別の法的根拠に基づくものであり、職務を提供しなかった事実そのものは消えません。町は自ら職務不提供の事実を認定し証拠も保全しています。にもかかわらず返還請求を取り消すことは、回収可能な公金の回収を放棄する財産管理を怠る事実に他なりません。

3.町の対応の矛盾

第一に、町は当初、職務不提供の事実を明確に認定し、既払給与の7割に当たる126万円の返還を求めました。この判断は、パソコンの記録や職員本人への聞き取り調査など、客観的証拠に基づいています。今井氏自身も「1日の3分の1程度は私的利用をしていた」と認めています。

第二に、公平委員会の裁決は懲戒処分の量定のみを問題としたものであり、職務不提供の事実を否定したわけではありません。にもかかわらず、町は懲戒処分の修正を理由に不当利得返還請求まで取り消しました。これは論理的に成り立ちません。

第三に、地方自治法第96条第1項第10号は「権利を放棄すること」について議会の議決を経なければならないと規定していますが、町は126万円という多額の債権放棄を町長の独断で行っており、手続き上の重大な疑義が残ります。

第四に、町が本件を争う場合、当初の判断と整合しない主張を採らざるを得ず、町の判断の一貫性に疑義が生じます。さらに、争えば争うほど返還され得た公金の回収可能性が低下するだけでなく、訴訟対応に伴う更なる公費支出も生じます。結果として、公金の回収機会の喪失と新たな費用負担という二重の不利益が生じ得、財産管理の在り方として重大な疑問が残ります。

4.繰り返される問題

白子町では、同種の問題が繰り返されてきました。平成28年には職員による還付金約470万円の着服事案が発生しましたが、懲戒処分は行われませんでした。令和元年には賃金未払いについて公平委員会から是正勧告を受けています。

私たちオンブズマンの会は、令和3年に固定資産税の賦課懈怠問題で約1,500万円の課税につなげ、令和4年には自動販売機無償設置問題で300万円超の不当利得返還を実現しました。しかし、過去の事案で問題が指摘されてきたにもかかわらず、同様の問題が再び生じています。本件は、その延長線上にあるものです。

5.私たちが実現したいこと

私たちが求めるのは、この町が「当たり前の自治体」となることです。法律を守り、税金を大切にし、過ちを繰り返さない。その当然の姿を求めているにすぎません。

職務を提供しなかった期間の給与は返還されるべきです。それは、まじめに働く職員への公平性であり、税金を納める町民への誠実さです。

今、この法廷に立っているのは私一人ですが、その背景にはオンブズマンの会を立ち上げた住民有志、そして公平・公正な町政を求める多くの町民の思いがあります。

私はこの町を愛しています。この町で生まれ育った子どもたちが誇りに思える町にしたい。その思いで本訴訟に臨んでおります。

裁判所におかれましては、法と証拠に基づいた厳正な判断をお願い申し上げます。

以上

投稿者: 市民オンブズマンの会白子

【会長略歴】千葉県白子町住民。内部監査士。1958年生まれ。前職(商社勤務)時より日系企業の東西経済回廊諸国(タイ国+周辺諸国)進出支援の講演(JETRO他)多数。専門は危機管理(世界銀行、国連・国際防災戦略事務局、JICAでの講演・公的調査、査読論文他)。趣味は散歩。特技は国境陸路越え。東西回廊横断:ベトナム カンボジア タイ ミャンマー バングラデシュ/縦断:中国 ラオス タイ マレーシア シンガポール 。【ニックネーム】❶伊能忠敬 夢酔独言 ❷伊能忠敬 九十九里海岸。

コメントを残す

市民オンブズマンの会白子をもっと見る

今すぐ購読し、続きを読んで、すべてのアーカイブにアクセスしましょう。

続きを読む