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市民オンブズマンの会白子とは

千葉県白子町の 林 和雄 町政( 7 期 連続 28年間)における数々の不祥事の発覚により、住民有志( 57名 )によって発足。(令和 3年 1月)「白子町の未来を担う子供達のために」を合言葉としています。

令和 3年 2月には白子町の元副町長や議会議員等、町の権力者に対する固定資産不正免除問題について住民監査請求を行い、およそ 1,500 万円の固定資産税の課税につなげた。

白子町監査委員、前田 一郎氏(当時)より「本件、固定資産税の課税遺漏については、法人及び町の錯誤に起因するものであるが、約 40年の長きにわたり、漫然と同様の判断を繰り返していたことは、厳しく指弾される行為である。監査対象部局においては、社会経済情勢の変化を踏まえつつ、現地調査など課税客体の実態把握に努めるとともに、適宜税理士などの専門的知見を活用するなどし、全ての行政における適正な償却資産に関わる固定資産税の賦課徴収に努められたい」との監査結果を得た。

令和 3年 6月 6日に実施された白子町町長選挙で、石井 かずよし氏が町長に就任。より公平・公正な白子町・町政の実現に向け引き続き不正に目を光らせています。

その後、令和 3年 12月に白子町幹部職員による自販機設置にまつわる不正が発覚。前・町長/林 和雄氏が白子町町政を担っていた時期( 7期 28 年間)、長期に渡る不正を追及するため 前・町長/林 和雄氏 及び 幹部職員 小高健史氏の不正を問う住民監査請求(令和 4年 4月 20日)を実施

監査結果(令和 4年 6月 17日)は、異例の合議不調となりました。職責を果たした地引 久貴監査委員(公認会計士)。職責より政局を優先した今関 勝巳監査委員(白子町議員)は法令でなく、自身が所属する白子町議会会派みらいに迎合。

この監査結果を不服として、住民訴訟(令和 4年 7月 8日)を提訴第 1回弁論 令和 4年 9月 16日に千葉地方裁判所で開廷されました。

一般的に「住民訴訟」(行政訴訟)は、原告にとって、” 100メートル先の針の穴を通す程難しい ” と言われていますが、弁論準備(協議)は着々と進行中です! 千葉地方裁判所の司法判断は、近日中に明らかとなります。随時、続報致します。(2024年 04月 08日現在)

裁判所による和解勧告と異例の和解成立(2024年6月)

約2年に及ぶ審理の末、裁判所は原告・被告双方の主張と証拠を踏まえ和解による解決を勧告した。第7回の口頭弁論準備手続が行われた2024年6月、裁判所から示された和解案は、原告側の請求趣旨をほぼ受け入れる内容であった。

被告町側も当初の強硬姿勢を転換し、この裁判所勧告案を受け入れることとなった。その結果、2024年6月に和解が成立し、7月11日付で訴え取下げとなった。町側が事実上非を認める形での和解成立は、住民訴訟として極めて異例の成果であった。

裁判所が提示した和解条項のポイントは以下の通りである:

❶補助参加人小高氏(元幹部職員)による町への賠償:補助参加人小高氏は町に対し、不当利得返還債務とその遅延損害金として約308万円を支払う義務を負う。これは過去10年分の未払い使用料相当額が賄われる計算である。この金額は和解成立から定められた期限に町へ納付された。

補助参加人小高氏の違法性承認と遺憾表明:補助参加人小高氏は、自身および故人である父が許可なく長年にわたり町施設を私的に使用し続けた事実を認め、その結果町に損害を与えたことに対し遺憾の意を表明した。長年「問題なし」と主張していた当事者が、自らの行為の不当性を認め謝意を示す内容となった。

❸補助参加人林氏(前町長)の責任承認と遺憾表明:補助参加人林氏もまた当時町長として適切な財産管理を怠り、使用料を徴収しなかった過失を認め、本件について遺憾の意を表明した。前町長自らが管理責任の不履行を認めて謝罪する条項は極めて異例と言える。

❹町の再発防止策表明:町(被告白子町)も和解条項の中で、法律や条例を遵守し行政財産の適正管理に努め、二度と同様の事態を起こさないよう再発防止に取り組むことを表明した。これは町として公式に姿勢を改める約束であり、今後の町政運営における重要なコミットメントである。

訴訟の終結:補助参加人小高氏が和解条項に基づき支払いを完了したことを受けて、原告である当会は本件訴訟を取り下げることで合意し、裁判手続きは終結した。以上の和解内容により、原告側の求めていた「町への損害回復」と「関係者の責任明確化」がほぼ実現することとなった。

裁判所が被告である町の主張を認めず、当会の訴えの正当性を踏まえた解決案を示したことは注目に値する。和解条項には金銭支払いのみならず、関係者の非違行為の認定と謝罪、そして組織としての再発防止策まで盛り込まれており、住民訴訟としては異例づくめの成果と言えるだろう。

勝訴的和解の意義と町財産の回復

住民訴訟において住民側原告が勝訴判決を得たり、今回のように勝訴的内容の和解に至るケースは全国的にもごくまれである。多くの住民訴訟は監査段階から棄却・却下が相次ぎ、裁判でも住民側が敗訴することが少なくない。それだけに、本件が示した意義は大きなものがある。

第一に、長年放置されてきた行政の慣行の誤りを司法の場で正した点である。裁判所から示された和解条項には、町行政の対応が不適切であったこと、そしてそれを正す住民側の指摘が正当であったことが明文化されている。特に前町長まで含めて責任を認めさせたことは、町政における責任の所在を明確にした。これは「住民による行政監視が実際に成果を上げた」例として白子町のみならず他の自治体にも示唆を与えるだろう。

第二に、町の財産が実際に回復されたことも重要である。和解により補助参加人小高氏から町へ支払われた約308万円は、本来町が得るべきであった公金である。長年失われていた財産が町に戻ったことは、金額の多寡以上に意義がある。住民訴訟では「仮に勝っても結局お金は戻らないのでは」と言われることもあるが、今回はきちんと町に実害相当額が納付された。これは町の財政にとってもプラスであり、住民の監視が直接町の利益を守った形になる。

また、この件を通じて町当局も財産管理の重要性を再認識したはずである。和解条項に明記されたとおり、適正な財産管理の徹底と再発防止に努めるという約束が守られれば、今後同様の問題が起きるリスクも減るだろう。それは町政の公正さ・透明性の向上につながり、ひいては町民全体の利益となる。

緑川輝男新町長へのメッセージ※2025年06月19日(金)町長就任

生涯学習課長、総務課長、更には副町長として本件に関与していた緑川新町長にも本件和解の内容を真摯に受け止め、再発防止策を着実に実行していただきたいと期待している。また町民の皆さんにも、本件は行政の不適切な慣行であっても市民の働きかけによって是正できることを示す例として共有したい。

私たち市民オンブズマンの会白子は、これからも町政を監視し健全化に向けた提言を続けていく。本記事が、白子町の行政に関心を持つきっかけとなり、住民と行政が協働してより良い町づくりへと進む一助となれば幸いである。

<補記>詳細に関しては、<214>住民訴訟における勝訴的和解を振りかえる 記事を参照されたい。

市民オンブズマンの会白子

会長

2025年06月19日(木)