＜206＞【長生村議会ハラスメント防止条例】＜近隣市町村の事例紹介＞※2024年05月20日（月）

白子町民各位　　　　　　　　　　　　2024年05月20日（月）

＜経緯＞

❶当会がかねてより問題にしてきた市川隆子議員による役場庁舎内での政治活動問題を改めて取り上げた。市川隆子議員（日本共産党）、白子町議会・梅澤哲夫議長、白子町・石井和芳町長宛てにそれぞれ公開質問状を発出した。既報＜193＞【学校統合を巡る議会傍聴記】〔12〕＜議員・市川隆子に問う＞※2024年04月12日（金）を参照されたい。

❷白子町議会・梅澤哲夫議長より回答を得た。既報＜196＞【学校統合を巡る議会傍聴記】〔13〕＜議員・市川隆子に問う＞【白子町議会・梅澤哲夫議長からの回答】※2024年04月24日（水）を参照されたい。

❸行政文書開示請求により、過年度（平成12年10月10日～令和6年5月2日に至る迄）市川隆子議員の「白子庁舎管理規定違反」が常態化していることが、即日判明した。

❹2024年04月24日の回答を受け、その後も新たな疑義が生じたため白子町議会梅澤哲夫議長に対する再度質問（議会による行政監視権の行使について）を実施した。（1）白子職員による職務専念義務違反を放任する町長に対する監視権の行使（2）白子町長による職員に対する監督義務懈怠に対する監視権の行使。☞ 尚、回答希望期限は05月21日（火）。

＜近隣市町村・事例紹介＞

令和 5年11月16日（木曜日）に開催した11月会議にて、長生村議会ハラスメント防止条例が全会一致で可決、同日公布されました。

本日（ 05月 20日）、長生村・議会事務局長と面談。勤務時間中の長生村庁舎内での職員に対する「しんぶん赤旗」の勧誘や頒布、集金活動は禁止されていることを確認しました。「明らかな営業行為であり、就業時間内の勧誘、頒布、集金活動は禁止している。この点は、長生村議会ハラスメント防止条例の施行を待つまでもない、当たり前の話であり、従来より長生村では禁止している」旨聴取しました。

＜長生村議会ハラスメント防止条例＞

長生村議会ハラスメント防止条例をここに公布する。
令和 5年 11月 16日
長生村長
長生村条例第 15号
長生村議会ハラスメント防止条例

村民から負託を受けた村議会議員は、村政に携わる権能と責務を深く自覚し、公共の福祉の増進という地方自治の本旨を体現するとともに、住民全体の奉仕者として住民福祉の向上に努めなければならない。ハラスメントは、他者に対して行われる極めて悪質な行為であり、ハラスメントに対する無自覚によつて相手に被害を与える「人権侵害」である。また、ハラスメントは、基本的人権、個人の尊厳を著しく傷つけ、議会活動に支障を来し、議会の社会的信用及び信頼を失うことにつながる。よつて、議員及び村職員は対等な立場であり、ハラスメントは許されるものではない。特に議員による村職員へのハラスメントは、村民の代表としての議員と村民への奉仕者としての村職員という立場から、顕在化しにくい上に、不当に村職員の尊厳を傷つけ、最悪の場合、回復不能な肉体的、精神的な被害をもたらし、ひいては人材の喪失、行政の停滞を招くことになり、更には議員への村民の信頼を裏切ることになりかねない。

長生村議会は、議員及び議会としての役割を十分発揮するため、互いに人格を尊重し相互信頼を深めることを通じて、ハラスメントの防止に努め、信頼される議会の実現を目指すことを決意し、この条例を制定する。
（目的）
第 1条この条例は、議員及び村職員の間のハラスメントを防止するための措置を講じ、全ての議員が個人としての尊厳を尊重され、良好な職場環境を確保することで村政の効率的運用に寄与し、もつて信頼される議会の実現に資することを目的とする。
（定義）
第 2条この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
⑴ ハラスメントパワー・ハラスメント、セクシャル・ハラスメント、マタニティ・ハラスメント及びその他のハラスメントをいう。
⑵ パワー・ハラスメント職務上の力関係で優位にある者が他の者に対し、本来業務の適正な範囲を超えて人格や尊厳を侵害する行為をいう。
⑶ セクシャル・ハラスメント異性及び同性を問わず、性的な言動により相手方に対して不快感を与える行為若しくはその行為によりその者の勤務環境を害し、又は勤務条件に不利益を与えることとなる行為をいう。
⑷ マタニティ・ハラスメント妊娠したこと、出産したこと若しくは妊娠若しくは出産に起因する症状により勤務することができないこと等を理由とする言動又は妊娠、出産、育児若しくは介護に関する制度若しくはその措置の利用に関する言動によりその者の勤務環境が害されることとなる行為をいう。
⑸ その他のハラスメント誹謗ひぼう、中傷、風評等により相手方に対して人権を侵害し、又は不快にさせる行為をいう。
２この条例で「村職員」とは、地方公務員法（昭和 25年法律第261号）第3条第2項に規定する一般職に属する職員及び同条第3項に規定する特別職に属する職員（議員を除く）をいう。
（適用範囲）
第 3条この条例は、議員が関係する全てのハラスメントに適用し、勤務時間外の事案も含むものとする。
（議長の責務）
第 4条議長は、ハラスメントの防止及び根絶に努めるとともに、ハラスメントがあると認めるときは、迅速かつ適切に必要な措置を講じなければならない。
（議員の責務）
第 5条議員は、村民の代表者として、権能及び責務を自覚するとともに、常に高い倫理意識を持ち、ハラスメントが個人の尊厳を不当に傷つけ、人権侵害に当たること及び村職員の労働意欲を低下させることを自覚認識し、議員間又は村職員の人格を尊重してハラスメントをしてはならない。
２議員は、議員によるハラスメントがあると疑われたときは、自ら誠実な態度をもつて疑惑の解明に当たるとともに、その責任を明確にしなければならない。
３議員は、ハラスメントがあると疑われる事態に遭遇したときは、当該議員に対し厳に慎むべき旨を指摘し、解決するよう努めるとともに、議長に当該事態について報告しなければならない。
（調査及び研修等）
第 6条議長は、議員によるハラスメントの根絶及び防止を図るため、必要に応じて実態を把握するための調査を実施するとともに、議員に対し必要な研修等を年 1回実施しなければならない。
（相談窓口の設置）
第 7条議長は、別に定めるところにより、ハラスメントに関する申出及び相談に対応し苦情等の円滑かつ公正な解決を図るため、議会事務局にハラスメント相談窓口を置く。
（事実確認等）
第 8条議長は、前条の規定により、ハラスメントに関する申出があつたときは、必要に応じて申出者、当事者又は関係者等に対して事情聴取及び事実確認を行い、公正で客観的な立場から問題の処理及び解決を図らなければならない。
２議長は、その解決策を協議するため必要に応じて審査委員会を設置できるものとする。
３審査委員会は、ハラスメントに関する審査申出があつたときは、誠実にその問題を解決しなければならず、当該苦情に係る事実確認を行い、その解決策を協議する。
４審査委員会の構成については、別に定める。
５議長は、村職員が関係するハラスメントに関する申出があつたときは、村に対し事実確認のための調査を求めるものとする。
（対応措置）
第 9条議長は、前条の事実確認等の結果、議員によるハラスメントを確認したときは、当該議員に対して指導、助言、注意又は氏名の公表等の必要な措置を講じなければならない。
２議長は、前条の事実確認等の結果、村職員による議員へのハラスメントを確認したときは、村に対し当該職員への指導、助言、注意その他改善のために必要な措置を講じることを求めるものとする。
（議長職務の代行）
第 10条議長が調査の対象になつたときは副議長が、議長及び副議長が共に調査の対象になつたときは年長の議員が、この条例に規定する議長の職務を行う。
（被害者等のプライバシーの保護）
第 11条議員は、ハラスメントによる被害者及び関係者のプライバシー保護に十分配慮し、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。
附則
（施行期日）
１この条例は、公布の日から施行する。
（検討）
２議会は、この条例の施行後３年以内に、この条例の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。